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地域目線の「海の価値」研究した動画公開 「海獣の子供」作者らと共同制作

3月11日からユーチューブで公開されている「MOTHER OCEAN」

3月11日からユーチューブで公開されている「MOTHER OCEAN」

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 八重山地域住民にとっての「海の価値」を明らかにする研究結果をまとめた短編インタビュー動画「MOTHER OCEAN」が3月11日から、ユーチューブで公開されている。

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 同研究は、国立研究開発法人水産研究・教育機構の水産資源研究所と同機構西海区水産研究所が協働で実施した環境省委託事業「社会・生態システムの統合化による自然資本・生態系サービスの予測評価」の中で進められたもの。海の価値を漁獲量や観光者数など経済に換算できる指標のみで測るのではなく、地域住民の多元的な海の捉え方に着目して産業的価値の枠組みから脱した評価を試みている。

 研究結果からは物質的ではない海の価値として「生活」「地域文化」「愛着とインスピレーション」「海への畏怖」「レクリエーションと付随する問題」の5つの要素が抽出された。動画には、近年の観光開発などによるサンゴ礁生態系への破壊的な影響に警鐘を鳴らすメッセージも込められている。

 約8分の動画のインタビュー出演者は、地元の漁業・畜産業・観光業関係者や市民団体など。先祖代々の稼業、精神的な支え、何気ない生活の一部としてなど、それぞれの海との関わり方や思いが収められている。動画中に登場するスケッチアニメーションを、2019年に映画化されたアニメ「海獣の子供」作者の漫画家・五十嵐大介さん、音楽を、アジアの民族音楽を中心に楽器開発や映像も取り入れた実践的な音楽の表現活動に取り組むユニット「馬喰町バンド」の武徹太郎さんが手掛けている。

 同研究グループの杉本あおい研究員は「10年前ほど前から八重山の皆さまにお世話になり研究を進める中で、海のかけがえのない価値についてたくさん教わってきた。多様な芸術分野の方々に協力いただいた今回の動画は、その一部を伝えるものになっていると思う。一人でも多くの島の人に動画が届き、楽しんでいただけたらうれしい」と話す。

(石垣経済新聞)

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