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サステナブル漁業って何? プログラミングで海を守る! ワークショップ潜入リポート

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提供:海と日本PROJECT 制作:東京ベイ経済新聞

 レジ袋が有料化になり、生活の中でも海洋プラスチックごみ問題を身近に感じるようになったこの頃。スケールの大きな環境課題を自分事に捉えるのはなかなか大変ですが、楽しく遊びながら学べる機会があればグンと身近に考えることができるようになります。10月11日、日本科学未来館で親子向けに開催されたイベントは、まさに「楽しく学ぶ」がかなう体験型のプログラミングワークショップ。この日集まった子どもたちは、自分たちでプログラムしたゲームを通じて、環境問題への課題を解決するためにみんなが一つになってゴールを目指しました。互いに声を掛け合いながら、マスク越しにもあふれる好奇心や笑顔が伝わってくる、楽しいイベントの様子をリポートします。

micro:bitを使い、自分でゲームをプログラミング

 「プログラミングで海のSDGs! ~海と日本プロジェクト~」は、小学校4~6年生の親子を対象にしたワークショップ型イベント。次世代へ海を引き継ぐため、海を介して人と人がつながる日本財団「海と日本プロジェクト」の一環で、夏に開催した過去の同イベントは販売開始直後に売り切れてしまうほどの人気を博しました。

イベントを主催した一般社団法人イエロー ピン プロジェクトの三輪愛美さん

 今回の秋シリーズでは、「海洋プラスチックごみ調査」と「プログラミングでサステナブル漁業体験」の2つのテーマでワークショップを実施。いずれも小学校4~6年生が楽しく理解できる難易度で、教育向けのマイコンボードmicro:bitを教材に、操作コマンドをプログラミングし、ゲームを完成させていきます。

サステナブル漁業って何?プログラミングとどうつながる?

 この日密着したのは、「プログラミングでサステナブル漁業体験」のワークショップ。サステナブルな漁業がどういうもので、プログラミングがどのように関係してくるのか、取材スタッフも興味津々で参加しました。

講師の松森謙治先生

「魚を見るのは好き?」「食べるのは好き?」と、難しいSDGsについて身近な興味からアプローチ

 イベント開催当日は台風の直撃が予想された日だったこともあり、こうした天候の変化もSDGsにつながっているということを授業の中で学んだうえで、プログラミングのワークショップが始まりました。micro:bitで取り組むのは、サステナブル漁業に使う船のコントローラー作り。「自分の船に名前を入れる」「グループの名前を入れる」「Aのボタンが押された時は左折させる」「Bのボタンで右折させる」と、一つ一つ動作を入力し、ロボット漁船を動かす準備を進めます。

たくさん捕れた!でも翌年は…持続させる大切さを実感

 コントローラーが完成したら、いよいよ海原へ。魚が集まる場所に自分の船を動かし、漁を開始します。ただし、友達の船にぶつかると漁獲量はゼロに。スピードを出しすぎても、うまく魚が捕れません。でもコツをつかむと「楽しい!」「動け動け!」「魚が逃げる…」「あ、ぶつかりそう!」と、自然と隣の友達に声を掛け始め、一体感が生まれます。

 1年目の漁業が終わると、海にいた魚の数と、それぞれの船が捕った魚の数、その漁獲量で売れた魚の金額がスクリーンに映し出されます。誰が一番多く魚を捕れたかで盛り上がりかけたのもつかの間、2年目の漁業がスタート。すると、1年目と次の年では海の様子が違うことに気付かされます。「あれ?魚が少ない」…?

 そう、今回のイベントのテーマはサステナブル漁業。魚の数は、自然に生まれて育つサイクルに限りがあるため、1年目で乱獲しすぎると、次の年の漁獲量に影響が出ます。小さな稚魚を捕り過ぎても、翌年、大人の魚に育つ量が減ってしまいます。自然に捕れる量よりも多く魚を捕り過ぎてはいけないことを学んだ子どもたちは、次の漁業で持続可能な漁の方法を学んでいきます。

持続可能な漁業を行うために、プログラミングで船を制御

 「これくらいでやめておこう」「子どもの魚は2割だけ捕れるように設定しよう」。さっきまでたくさん捕れることを楽しんでいた子どもたちも、長く魚を捕り続けるための工夫を船の操作に取り入れ、海の環境を変えてしまわないように船をプログラムで制御していきます。

 自らがプログラミングした船で、海の環境課題を解決できることを学んだ子どもたちは、大人になった将来どんな未来を創ってくれるでしょうか。魚がいなくなると、虫を食べるのが普通になるかもしれません。海の魚がいなくなると、困るのは人間だけではありません。こうしたいろんな社会課題に向き合い、できることを学んでほしいと願って開催されたイベントを終え、会場を後にした子どもたちの表情は、マスクの上からも生き生きとした印象が伝わってきました。

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