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小学生が海のクイズに挑戦!子ども海のクイズ王プロジェクトイベントが長崎で初開催

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提供:海と日本PROJECT 制作:長崎経済新聞

 長崎大学教育学部附属小学校(長崎市昭和町)で10月7日、子ども海のクイズ王プロジェクト「海のライブ・クイズイベント」が開催された。同イベントは日本財団の「海と日本プロジェクト」の一環。

海と日本プロジェクトについて

 海と日本プロジェクトは日本財団が中心となって「次世代へ海を引き継ぐため、海を介して人と人とがつながろう」と全国で取り組みを行うもの。四方を海に囲まれている日本に大きな影響を及ぼし、近年深刻化している海洋ゴミや魚の乱獲などの問題にスポットを当て、海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用することを目標としている。これらの問題は国連が提唱している持続可能な開発17の目標(SDGs)でも14番目に「海の豊かさを守ろう」として取り上げられ、世界的な課題にもなっている。長崎では7月にも南陽小学校(竿浦町)で水産高校生らを先生役に海洋キッズスクールを行うなど、さまざまな取り組みが行われている。

子ども海のクイズ王プロジェクトについて

 子ども海のクイズ王プロジェクトは、クイズ作家として活躍する古川洋平さんらが企画したもの。古川さんは仙台一高クイズ研究部時代に「パネルクイズアタック25」「タイムショック21」の高校生大会で優勝。大学時代には学生日本一決定戦「abc」3連覇、社会人日本一決定戦「ABC」2度優勝などの成績を収めクイズ王として有名。同イベントはクイズを通じて、より多くの子どもたちに世界的にも課題となっている海洋問題を「自分の事として考えてもらうこと」を目的に行われた。

レクチャーを行う古川さん

子ども海のクイズ王のイベントについて

 コロナ禍でソーシャルディスタンスを確保し、安全にクイズイベントを開催することは困難といわれるなか、古川さんが企画するクイズイベントも半年以上開催できない状況で行われることになった同イベント。距離と安全を保ちながら、どうにか開催できないかと模索し、会場の座席の間隔を広く取り、全員参加のクイズは各席で筆記とし、声を極力出さないようにするなど生徒や先生らの協力もあって実現させた。

 開催に当たって、古川さんは「子どもたちの興味をいかに長続きさせるか」にこだわり、「集中して学習する時間」「全員でクイズを解く時間」「テレビで見るスターになる・スターを見る時間」の3部構成とした。

当日の様子 レクチャータイム~予選

 子ども海のクイズ王プロジェクトは2・3時間目に当たる9時45分~11時30分に同校体育館で行われた。ステージにはテレビ番組やクイズ大会で実際に使われる早押しクイズ用の回答ボタンがセッティングされ、座席の距離を空けた状態で準備された。5年生の児童約90人が体育館に集まると、主催者から「長崎は海に囲まれ、新鮮な魚が食べられるなど、海のありがたさや恩恵を受けている。海の生き物やゴミの問題など、美しい海を未来につないでいくためにどうすればいいのか楽しくみんなで考えてみたいと思います」とあいさつがあった。

レクチャータイムの様子

 その後、拍手に迎えられ登場した古川さんは「皆さん、背筋も伸びて、普段から学習を前向きに取り組んでいることがこの数分で分かった。授業ではあるが、『楽しく学ぶ』ことを大事にしている。今まで学んできたことを生かしながら、いつもとちょっと違った楽しさを感じてもらえる時間にしたい」とあいさつし、「新型コロナウイルス対策で大声を出すことはできないが、正解したときはガッツポーズなどしてください」と声を掛けた。

真剣にメモをとる児童ら

 「集中して学習する時間」として設けられたレクチャータイムでは冒頭、古川さんが「クイズのヒントもあるのでしっかり聞いていてください」と話し、海で起きているゴミ問題や地元の海に関する知識や魚を使った郷土料理などについて説明を始めた。児童らは鉛筆を手に真剣な様子で聞き入ったりメモを取ったりしていた。

正解して挙手する児童

 レクチャータイムが終了すると、いよいよクイズの時間へと突入。予選は古川さんから15問の問題が出題され、児童らは席で解答用紙に記入して採点。正解の多かった上位12人が準決勝へとコマを進めるルールで行われた。問題ごとに出題後すぐに正解が発表され、正解して席で大きくガッツポーズをしたり、間違えて崩れ落ちたりするなど一喜一憂する児童の姿もあった。

正解してガッツポーズする児童ら

 予選の回答が終了し、古川さんが「全問正解した人は立ってください」と声を掛けると10人の児童が立ち上がり、全問正解者の多さに古川さんも驚きを隠せない一幕も。準決勝進出への残り2枠を決めるため「14問正解者は立ってください」と声を掛けると10人以上の児童が立ち上がったため、近似値クイズで2人に絞ることとなった。クイズは「国連加盟国で海がない内陸国はいくつ?」というもの。

 ピタリ正解こそ出なかったものの、正解と1カ国差で1人が、2カ国差で「50カ国」と答えた有吉史子加さんが準決勝進出へと滑り込んだ。予選が終了すると準決勝進出を決めた友達の元へ駆け寄り、喜びを分かち合う場面もあった。

予選の回答シート

 有吉さんは「クイズ大会は初めてだった。レクチャータイムが分かりやすく、思った以上にクイズが解けて楽しかった。最後に選ばれてよかった」と笑顔を見せ、「まずは決勝目指して頑張りたい」と意気込みを見せた。

当日の様子 準決勝

 準決勝は予選通過者に配られたカードで6人2組に分かれての早押しクイズで行われた。2問先取で勝ち抜けとなり、上位3人が決勝進出となる。古川さんが問題を読み上げ、問題の途中でも回答できる。

接戦となった早押しクイズの様子

 クイズが始まると、初めは慎重に問題を聞いてから答えていた児童らも次第に早押しを競うようになり、誤ってボタンを押してしまう児童が出ると古川さんは「元気があっていいね」と笑顔を見せる一幕もあった。準決勝B組になると果敢に早押しにチャレンジする児童も現れ、より熾烈(しれつ)な戦いが繰り広げられた。

早押しボタンを押す手に緊張感が漂う

当日の様子 決勝

 準決勝と同様のルールで、3問先取で争われた決勝は第1問、全員が早押ししすぎて不正解となる波乱のスタートとなった。続く2問目、3問目では、準決勝各組でそれぞれ一抜けした児童がポイントを獲得。残る児童らも果敢にチャレンジして白熱した展開を見せ、古川さんも「原くん、ボタンの構え方が独特」などとコメントを挟みつつ大会を盛り上げた。

決勝戦の様子

 終盤には4人が優勝に王手を掛けたところで、またしても全員不正解となる緊張感のある展開を見せた。続く問題で「伊勢、車、芝などの種類がある…」と読み上げられたところで、すかさずボタンを押して「エビ」と回答した児玉尚くんが3問先取して優勝を決めると会場から大きな拍手が沸き起こった。

優勝が決まった瞬間拍手が沸き起こった

 初代・子ども海のクイズ王に輝いた児玉くんは「とても楽しい活動だった。本物のクイズのボタンはこんなボタンなんだ。クイズ番組に出る人は優勝したらうれしいだろうなと感じた」とイベントを振り返り、「海流のことや坂本龍馬の話など知っていることもあったが、まだまだ知らないこともたくさんあった。クイズをきっかけに勉強できれば」と意気込む。

見事優勝に輝いた児玉くん

 優勝争いで児玉くんと接戦を繰り広げた阿部礼佳さんは「舞台に立ってみてドキドキした。ボタンを押すタイミングが早くてドキドキして楽しかった」と決勝戦を振り返り、「レクチャータイムは知らないこともあってびっくりした。これから古川さんをテレビで見かけるかもしれないのでドキドキしている」と笑顔を見せた。

優勝戦で接戦を繰り広げた阿部さん

 クイズが終わると古川さんが「みんなレクチャーをよく聴いてくれて、普段から海に関心を持ってくれているのではないかと感じられるクイズ大会になった」と振り返り、「今回学んだ知識はすぐに使えるものもあるが、将来役に立つこともあるかもしれない。知ることは生活を豊かにすること。これからもいろいろな形で学習を進めてほしい」と締めくくった。感染症対策を踏まえ古川さんとコミュニケーションをとる時間を設けることはできなかったが、思い出づくりとして最後に全員で記念撮影を行いイベントは終了となった。優勝した児玉くんと決勝進出を果たした5人にはそれぞれ優勝と決勝進出の認定書が贈られたほか、全員に記念品が贈られた。

記念撮影の様子

イベントを終えて

 イベント終了後に先生から「楽しかったですか?」と聞かれると児童らは「楽しかった」と声を上げた。イベントを終えた古川さんは「コロナ禍で開催に向けて多くの課題がある中企画してきた。子どもたちに積極的に参加してもらったことでこれだけ盛り上がるということを実感でき、多くの贈り物をもらったような第1回となった」と話す。

 第2回が愛媛で開催され、今後も沖縄、福島、新潟、岩手、広島、石川での開催が決まっているという同イベント。「20年以上クイズに携わってきて、ただの遊びで終わらせるのか、クイズにできることはないかが常にテーマだった」という古川さん。「本格的なクイズと変わらないものを用意し身近に感じてもらうことができた。普段の学習がクイズと近い遊び感覚で覚えてもこれだけ身になるということが伝わったのでは。学習の一環として扱ってもらったことでまだまだクイズにできることはあると自分自身も感じることができるイベントとなった」と笑顔を見せる。

イベント終了後のインタビューで笑顔を見せる古川さん

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